[01.世界史]
四月のプレ公演「ファイルエロスグロテッサ」で先行披露していた楽曲。
一番最初に作っただけあってかなり百眼さんを意識したスケールやら音色やら。
大島朋恵嬢の朗読と7拍子なのにノリ易いサビが特徴。
ミックスダウン完了後、打ち込みがどうしても気に入らず、発売日前日にギリギリで直しました。
故に公演でやっていたモノとはオケが違うのです。
「世界史」ってタイトルとても素敵やん。


[02.花鳥風月]
廻天百眼看板女優であらせられるところの大島朋恵タソ作曲による百眼オリジナル曲をアムアレンジ。
歌メロのスケールがいかにもなラインだったので、ベターなザ・昭和歌謡ロックアレンジにするか、アムがアレンジをやる意義として正反対のベクトル(テクノ系とか)にするか迷った挙げ句こんな感じに落ち着きました。
アム曲の為に温存していた取っておきのサンプルネタを随所に使っているので、真剣に出し惜しみを考えましたw
Bメロのリズムが刀の音になっていてチャンバラ状態なのが気に入っております。通称チャンバラビーツ。
同曲の母檸檬バージョンもあるらしいので気になります。アムと母檸檬どっちが好きなのよ!?


[03.底へ]
舞台ではBGMとして使われたインスト曲。
ベースをフィーチャーしたポリリズムなガムランです。
こういう曲は得意なのでツルっと2、3時間で出来ました。
音楽でもなんでクリエイティブは短期間で仕上がる程名作の予感がしますが、案の定この曲も石井チャゲ&飛鳥さんに大変気に入って頂けたようです。
今回サントラを書き下ろすに当たり、こういうBGMモノを沢山作るんだろうなと思ったり思われたりしていましたが、百眼さんはミュージカル〜オペラ的な舞台なので結果的にインストは2曲だけでしたね。


[04.MIG-100000000のテーマ]
ある意味このサントラ一番の聴きどころw
通常のアムではまず作らない・やらない曲なので、こういうのは外部の方からテーマを提示されて作るサントラの醍醐味ですね。
80年代の特撮モノや東京どりいむらんどさんを意識しました。
前半部分はMIGが踊るバレエシーンというコトで、参考曲として白鳥の湖が挙げられていたのですが、アムは癒し系アンビエントユニットなのでジム○ノペティを意識しました。
実際にMIGこと伊藤花りんさんにこの曲に合わせて華麗に舞って頂いた時は感動しました。
本編はブラスが肝。逆アムという意味でコードもテンションノートは極力使わず、メジャーメジャーメジャー押し。
この曲のみVoはライヴさながらハンドマイクで録りました。ハンドまいくさん。
中盤の萌え台詞もまいくさんです。声優の仕事とか来ないかなぁ。


[05.実家に帰らせて頂きます。-2039年全滅凱旋-]
アムには珍しいギターリフもの。
その主役のギターリフを凌駕するAメロのおとーさんベースがめちゃくちゃカッコイい!抱かれてぇ〜!
歌メロはまいくさんが付けました。
仮タイトルが「マザーのただいまハードロック」だったのですが、長らく「マザーのおはようハードロック」だと勘違いしていたのが曲中にアラームや目覚まし時計の音が入っている理由ですw
右chギターやギターソロなどはフツーに弾いたモノを後から波形編集で弄ってあるので生演奏では再現不可。ワーミーを使ってもあのニュアンスは出ません。


[06.螺旋クロノス迷宮器官]
一番アムっぽい曲ですかね。
手弾きとオーディオファイルの切り貼りだけで作っていったので所謂「打ち込み」はしてません。
当初は中盤に一度だけ出てくるピアノフレーズがミニマムにループされる構成でしたが、「主題歌っぽく」というリクエストを受けてこのようなアレンジに。
サビメロが相当気に入っております。コーラスセクションでは本邦初公開となる櫻庭おとーさんのビューティフル・ローヴォイスが聴けます。
40年間探していて先日遂にオークションでゲットした「BIAS BS-2」というシンセパーカッションを使えたので大満足。
シンセっぽい音が随所で聴こえてきますが、殆どがこのBS-2とギターとテルミンです。
今後のライヴでもアムver.としてやっていきたいですなぁ。


[07.涯へ]
「底へ」と対になっているインスト曲。
近くで鳴っている音・遠くで鳴っている音、すなわち音の配置に拘って作りました。
個人的にインスト物は主旋律が無いものが好きです。かといってカラオケ的ではなく"主旋律を入れようが無いモノ"を目指して作りました。
あークレジットで「ギター」を入れるの忘れた。。。


[08.世界史の荒野]
歌モノとしては一番最後に作った曲。締切が迫った極限状態で1日で仕上げました。
キック2発で始まる潔い入りは長年やりたかったのです。
カオティックな展開の中を突き進む、ツインギターやリズム隊の"規則的な不規則アンサンブル"が我ながらキモカッコイイヽ(゜▽、゜)ノ
普段ベースラインは桜庭おとーさんに好き放題アレンジしてもらっているのですが、この曲は各楽器が複雑に絡み合うコンビネーションが重要なのでデモ通りに弾いてもらいました。
最後の大サビは4つ打ちにするか3連にするか迷った挙げ句、4つ打ちの3連にしたのでw クライマックスへ向け高揚していくアゲアゲ感が出たのではないかと。


text by 藤宮タク